核融合発電は凄いんだ

Illuminate Path

“現在24歳のレバノン出身の起業家、JCバタイチェは、核融合エネルギーを使ってすべてのエネルギー問題を解決するという大胆な目標を掲げている。彼の会社は、投資家から2000万ドル(約32億円)を調達し、イランの原子力機構で核融合プロジェクトを指揮した核科学者やペンタゴンの元高官らとともに開発を進めている。”
Forbes Japanより引用


遅かれ早かれ実現する核融合発電。原発事故もあって、日本では核関連のテクノロジーへの反発心がとても強い。3.11をリアルに経験した身からすると、その気持ちは痛いほど理解できる。

しかし個人的な体験だけで未来の可能性を潰してしまうのは違う。例えば今は世界中で普及している自動車だって、昔は超危険な物かもしれないと思われていた。(というか本当に危険だった)

自動車が開発してから今日まで、世界中で5000万人以上もの人々が自動車関連の事故で亡くなったと言われている。戦争や疫病レベルの犠牲者を出しながらも、世界の人々は自動車の危険性と必要性を天秤にかけて、今も自動車を使うことを選択している。

自動車事故の規模に比べたら原子力関連の死者数は優しいもので、昨日も書いた通り不完全で未熟な我々人間にしては、よくやっている方だと思う。

この記事で書かれている核融合発電。一見『核分裂発電』と『核融合発電』はとても名前が似ているので、そのうち技術が確立されて世に普及し始める段階で反射的に反対する人たちが多く出てくることは予想できる。でも名前が似ているだけで実際は全然違う。正しく違いを理解しておくと、きっとウエルカムで新しい技術を受け入れられるはず。

それぞれの特徴をまとめるとこんな感じ↓


核分裂発電 (Nuclear Fission Power)

※今の原子力発電システム

基本原理

重い原子核(ウラン-235やプルトニウム-239など)が中性子と衝突し、2つ以上の軽い原子核に分裂する過程です。この分裂により、大量のエネルギーが放出される。

連鎖反応

分裂により放出される中性子がさらに他の重い原子核に衝突し、連鎖的に分裂反応が進むことでエネルギーが継続的に放出される。

実用化

核分裂発電は現在、実用化されており、世界中で多くの原子力発電所が稼働中。

利点

高いエネルギー密度:一度の分裂で大量のエネルギーが放出される。

既存の技術:技術が確立されており、広く利用されている。

欠点

放射性廃棄物:分裂により放射性廃棄物が生成され、これの長期的な処理が大変。

事故のリスク:チェルノブイリや福島第一原発事故のように、重大な事故が発生するリスクがある。


核融合発電 (Nuclear Fusion Power)

※未来の原子力発電システム

基本原理

軽い原子核(主に水素の同位体である重水素や三重水素)が非常に高い温度と圧力下で融合し、より重い原子核(ヘリウム)に変わる過程です。この融合により、大量のエネルギーが放出される。

条件

核融合反応を持続させるには、非常に高い温度(数百万度)と圧力が必要。

実用化

核融合発電はまだ研究段階にあり、商業的な実用化はされていません。実験装置(例:ITER、NIF)での研究が進行中。

利点

放射性廃棄物が少ない:核分裂に比べて、生成される放射性廃棄物が非常に少ない。

事故リスクが低い:核融合反応は制御が容易で、暴走するリスクが低い。

燃料が豊富:重水素と三重水素は海水から容易に得られるため、燃料供給が豊富。

欠点

技術的課題:核融合反応を持続させるための技術がまだ確立されていない。

高コスト:現在の研究や実験装置は非常に高価であり、商業化にはさらなる技術革新とコスト削減が必要。


さらに超簡潔に表現するならば、核融合発電は今の発電システムに比べて

① 事故のリスクが少なく

② 環境に優しく

③ 発電量が多い

最高。Yeah。100年も200年もすればもっと新しく安全で大容量な発電システムが作られると思うけれど、おそらく私たちが生きている間に世界のスタンダードな発電システムになりうるのはこの核融合発電。

生産が安定して小型化されれば月面基地や火星基地にも持っていくだろうし、乾電池サイズまで小さくなって家庭に1台置くのが当たり前になるかもしれない。

ちなみに私たちが普段から目にしている核融合発電システムの代表例は太陽。あの太陽の熱とエネルギーは、太陽内で絶えず行われる核融合から生み出されている。

そして容易に想像できる展開だが、石油で中東が潤ったように、核融合発電を成功させた国が次の時代の覇権を握る。現在はフランスが一歩リード。ITERという核融合に関する世界最大の科学実験プロジェクトを主催し、そこに協力する形で欧州連合、アメリカ、ロシア、日本、中国、韓国、インドが参加している。(よかった日本参加してる)

2007年から建設が始まった巨大な実験場が完成し、いよいよ2025年から実験開始、2035年にはフルパワーでの実験が可能となる。

持続可能でクリーンな発電システム。人類のためにも地球のためにも、とても大切な技術になっていく。

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