モーリー物語 #7

今回の不法滞在は留学エージェント側のミスということもあり、死に物狂いでヨーロッパ以外のチームを探してくれた。しかしシーズン開幕直前にすぐチームが見つかるわけもなく、まずは受け入れてくれる国と家が決まったと連絡が来た。

「見つかったよ、モンテネグロ!」

どこ!?笑

生まれて初めて聞く国にこれから自分は行くらしい。とにかくすぐにドイツから出てモンテネグロの現地の家にホームステイをしながら、所属できるチームを探すと。ドイツから飛行機を乗り継いで向かうのだが、乗り換えた飛行機は見たこともないほど小さくてボロいプロペラ機。

カイテキ?ナニソレ?と言わんばかりの最低限の設備。墜落しなければギリOKという気概が伝わってくる。不安の塊が空を飛んで1時間、モンテネグロにある小さな空港に到着した。

そこからホームステイ先の家までは車で移動する。窓から見える町の風景…いや、これは町なのか?

地面は赤土で、あちこちに野良犬や牛が歩いていて、なぜか全体的に景色が茶色い。

昨日まで綺麗なドイツの街にいたのにこんな場所に連れてこられて…と普通は思うのかもしれないが、正直この時は不安よりもワクワクが勝っていた。

トラブルへの不満よりも、完全に自分が全く知らない世界に来たことへの楽しさが勝っていた。

そして到着したホームステイ先の家は父母に息子と娘の4人家族。この家族が本当に優しくしてくれた。家族全員英語も日本語も喋れないから、カタコトのドイツ語と身振り手振りでのコミュニケーション。

突然家にやってきた日本人を受け入れるだけで大変なことだろうと思うのに、とても温かく大きな愛を持って受け入れてくれた。

町を歩いてもブランド品や高級車を目にすることはないし、娯楽といえば殺風景なカフェだけ。だけど何か、すごく自分に足りなかった部分が補われる感覚がある。そんな町で異文化交流を楽しんでいる間に、今シーズンの所属チームが決まった。

そうだった、サッカーをやりに来たんだった。

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