モーリー物語 #5

不安な気持ちもドイツに着けばどこへやら。フランクフルト国際空港に機体が着陸すると同時に、もう後戻りはできないぞと腹が決まる。ドイツの空港には、現地チームとの交渉などを行なってくれた留学エージェントの日本人コーディネーターが迎えに来てくれた。

ドイツでの生活はマインツという小さな街でのアパート1人暮らし。生活費は親が全額出してくれている。何か結果を残さなければ日本に帰れない。

ドイツのサッカー文化は日本と比べ物にならないほど規模が大きく、国内のサッカー人口は約700万人。ブンデスリーガを頂点とする国内リーグは1部から12部まであり、チーム数はなんと3万を超える。

僕はマインツの隣町にある6部のチームに所属することになった。5部のチームからも声がかかっていたが、監督が熱心に誘ってくれたこともあり6部からキャリアをスタートすることになった。

日本ではゴミのような扱いをされていた自分に価値を見出してくれた監督の期待に応えるためにも、早くチームに貢献して勝ちたい。そして数ヶ月後、シーズンが始まる。

負け

負け

負け

負け

負け

いきなりの開幕5連敗。

監督はその責任を取らされる形で解任された。

スタートダッシュでつまづいたチームはその後も不調が続き、僕自身はドイツスタイルのサッカーについていくのがやっとだった。想像していたような結果は何も残せずにあっという間にドイツで初めてのシーズンが終わってしまった。

この時点で日本の大学に退学届を出した。ドイツでやっていける自信から生まれた行動ではなく、こんな中途半端な自分じゃダメだという意地。自ら人生を背水の陣に追い込む判断にじいちゃんは大反対だったけど、ここで大学に戻る選択肢を残していたら何もできないと思った。

退路を断ったことでサッカーに打ち込む心境も変わり、この決断は間違いなくいい影響を与え、翌シーズン5部のチームへの移籍が決まった。

しかし2年目のシーズンは思いもよらない展開を迎える。

コメント

タイトルとURLをコピーしました