
その昔、震災のボランティアに行きました。
民家に溜まったヘドロをシャベルでひたすらかき出すシンプルな肉体労働。
現場ではベテランボランティアのおじさん(通称:師匠)が素人の我々をまとめてくれます。
一緒に作業をしたのは世界各国から来た30人ぐらいのボランティア。年代は10代から40代までと幅広く、師匠はおそらく60代。
屈強なアメリカ人の若者は「俺に任せろ!Hahahaha!!!!」と初めから飛ばし、トルコのおじさんは黙々と作業を続ける。
みんな個性が出て面白いなと思いながら自分もシャベルを手に作業を進めていると、師匠が「おい兄ちゃん、そんなに飛ばすとバテるぞ」と一言。
自分ではそんなに飛ばしているつもりはなかったので、師匠に「わかりました」と言いながら変わらず自分のペースで作業を続行。
師匠はのんびり作業を進める。そしてことあるごとに師匠はボランティアメンバーに「まぁゆっくりやれ」「スロウリィ、スローリー」と声をかける。
作業開始から30分。アメリカ人はもう休んでいる。
作業開始から1時間。もう手に力が入らない。
作業開始から2時間。師匠は休まず作業を続ける。
これが熟練の技と知恵ですか師匠…
皮がむけてジンジンする手の痛みを感じながら、世界各国から集まったメンバー全員が言語の壁を超えて師匠の言葉の意味を知る。結局3時間が経つ頃には、師匠以外の全員が作業から脱落していた。
少しして師匠も休憩の輪に加わり、「午後はみんなもっとゆっくりやろう、日暮れまで作業は続く」と言い、お昼のお弁当が師匠から1人1人に手渡される。
もうこの時点で世界中から集まった全員が師匠をリスペクトしており、アメリカ人の若者は伝説の剣でも授かるかのように片膝をついてお弁当を受け取っていた。笑
そして午後はみんな師匠の指示に従い、日暮れまで作業。1日限りのボランティアチームは解散して、各々次の場所へと旅立っていった🦉


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